【DX基盤ツール3選】データベース連携ツールって何? | 田尻 哲也 | VINXニューリテール・コラム | 株式会社ヴィンクス| 流通小売業向けシステム

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【DX基盤ツール3選】データベース連携ツールって何?

【DX基盤ツール3選】データベース連携ツールって何?

はじめに

近年は小売業でも多くの企業がDXの推進に取り組んでいます。
しかし、最新のアプリケーションの導入を進めている一方で、その基盤となるITの整備がおろそかになっている企業も多いようです。そこで今回のコラムでは、DX推進の基盤となるITツール3選をご紹介していきます。

 

DX推進に必要となる基盤とは?

DXによって変革を遂げるためには、その基盤となるITシステムはどうあるべきなのでしょうか。経済産業省から発行されている「DX推進指標」では、DXの基盤となるITシステムに求められる要素は以下の3つであるとされています。


【DXの推進基盤となるITシステムに求められる要素】(経済産業省HPより)

①    データをリアルタイム等、使いたい形で使えるか
②     変化に迅速に対応できるデリバリースピードを実現できるか
③     データを、部門を越えて全社最適にできるか

 

「DX推進指標」では、日本の企業の多くは部門ごとに個別最適でシステムを構築しているとされています。個別最適でシステムを構築し、データの連携がリアルタイム&スピーディにできていない状態にあると、例えば小売業では以下のような弊害が生じてしまいます。
 


リアルとオンラインの融合などが進むなかで、データ連携のリアルタイム性を実現する基盤整備は小売業にとっても非常に重要なのです。

 

DX基盤を整えるためのITツールとは

「DX推進指標」で挙げられた要素を満たした基盤を整えるために、導入を推奨したいITツールをご紹介します。
 

《推奨ツール①》RPAツール
人が手作業で行っていたデータの入力や加工をロボットで自動化できるのがRPAツールの特長です。RPAツールを導入することで、効率良くデータの収集や加工が可能になります。RPAツールについては以前のコラム(【小売業のDXシリーズ】RPAが実現する小売業の業務改革とは?) で詳しくご紹介しています。

RPAを導入するメリットは、単にソフトウェアロボットがスタッフの業務を代行してくれる便利さだけではありません。情報システム部の業務にも活用することで、DX推進という新たな業務に挑戦する貴重な時間を捻出できるという点も重要なメリットです。
 

《推奨ツール②》ETLツール
異なるアプリケーション間でのデータ連携を自動化するために利用できるのがETLツールです。さまざまな形式のデータをアプリケーションから抽出し、連携先のアプリケーションに最適な形式に変換した上で連携を行えます。ETLツールについても過去のコラム(【木を見ず森を見よ!】戦略的DX化のための隠れた主役“ETLツール” )でご紹介しています。

増え続けるアプリケーション間のインターフェース開発の工数を削減し、保守対応を一元化できるのがETLツールを活用する最大のメリットと言えます。
 

《推奨ツール③》データベース連携ツール
データベース連携ツールを導入することで、複数のデータベースに格納されているデータをリアルタイムで同期できます。データベース連携ツールの詳細については後述しますが、リアルタイム性に優れたDX基盤を整えるためには、データベース連携ツールは非常に有効なソリューションとなります。

これら3つのツールを活用することで、例えば以下のようにデータ連携を自動化できます。
 

 


①RPAツールの活用でデジタル化(デ―タ化)と情報システム部自身の業務軽減を進め、②ETLツールの導入によりDX化で増え続けるアプリケーション間インターフェース開発の工数と費用を一定化する。さらには③データベース連携ツールでリアルタイム性が求められるDXアプリケーションを支える。そのようなIT基盤を整備していく戦略を実現できます。

 

データベース連携ツールの活用メリット

データベース連携ツールの導入には主に以下のようなメリットがあります。
 


① 連携の設定や状況確認が容易に
データベース連携ツールには、同期の設定やテーブルの作成、同期状況の確認などを直感的に操作できるユーザーインターフェイスを持った製品もあります。そうしたデータベース連携ツールを活用することで、データ連携を行うIT部門の負担が大きく軽減します。
 


② 少ない負荷で同期が可能
RPAツールやETLツールを駆使することでも、複数のデータベース間でのデータ連携は可能です。しかし、データベース連携ツールなら、データベースが出力する更新ログを活用し、差分同期を行うことでより小さな負荷で時間差も短く同期できます。
 

③ 異なるデータベース製品間の連携も可能
例えばOracle同士など、同じデータベース製品間であれば標準機能でデータ連携が可能です。しかし、例えば基幹データベースのライセンスや保守の費用が高額だった場合、連携先すべてに同じデータベースを導入するとランニングコストが高くなり、そのコストが大きな負担となってDXの推進を妨げてしまいかねません。その点、データベース連携ツールを活用すれば、コスト面などを考慮して導入するデータベースを自由に選択できます。
 

④ 連携するデータを自由に選択可能
他部門や他社とデータを連携する際に、連携したいデータだけをリアルタイムに同期できます。そのため、セキュリティ性をしっかり確保しながら、柔軟にデータ連携の仕組みを構築できます。

 

おわりに

今回はDX基盤におすすめのツールについてご紹介させていただきました。

ヴィンクスでもお客様のDX基盤の整備をサポートしており、2023年には自社開発のデータベース連携ツール『VI-DBLinks』をリリースしております。データ連携やITツールの導入でお困りのことがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
この度はご一読いただきまして、誠にありがとうございました。

 




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田尻 哲也 Tetsuya Tajiri

アウトソーシング事業本部
運用プロダクト部
テクニカルサービス課

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