VINXニューリテール・コラム
【小売業のDXシリーズ】RPAが実現する小売業の業務改革とは?
ご存知の方も多いと思いますが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、「従来は人間が行っていた作業をロボットに代行させる技術」です。
小売業のDXを進める上で欠かせない存在となっているRPAについて、今回の記事では具体的な活用事例をご紹介します。
本コラムの動画「小売業の業務改革を実現するRPAの実態解説(小売業のDX 07)」を見る
RPAを活用することで、小売業においてもさまざまな業務効率化が可能になります。
下の図のように、RPAは多様な領域で活用されており、年間で何千時間・何万時間もの作業時間を削減できた事例も出てきています。
RPAで可能になる変革は、下の図のように「作業の変革」「業務の変革」「業態の変革」の3つにわけることができます。
それでは、3つの変革について、ひとつずつ事例をご案内していきたいと思います。
まずは、本社で管理業務を行うスタッフの作業を効率化した事例です。
小売業でも、従業員の労働時間が三六協定に違反していないかを人事担当者が定期的にチェックし、その結果を各店長にメール等で連絡している企業様が多いのではないかと思います。
こういった本社管理スタッフの作業は、容易にRPAでの代行が可能です。
上の図の通り、RPAを活用することでロボットが以下の業務を行ってくれます。
① 従業員の労働時間に関するデータを抽出
② 抽出したデータを残業チェックシートに貼り付ける
③ 最終的な残業時間の見込みも算出
④ 更新したチェックシートを各店長にメールで送信
このように、従来は人がパソコンで行っていた作業をロボットに置き換えるRPA活用によって、数多くの企業が効率化に成功しています。
次は業務自体を変革した事例として、伝票処理業務のRPA活用をご紹介します。
店舗で受け取った納品明細書などの伝票を月末等に本社に送って、本社ではそれを外部に委託して入力している企業様も多いのではないかと思われます。
こうした伝票処理業務にRPAを活用すると、業務の流れ・内容が大きく変わります。
下の図は、RPAによる変革事例を表したものです。
店舗ではOCR(文字認識)機能のついたスキャナで伝票を読み取ります。データ化された明細書をロボットが処理し、コンピューターシステムへの入力までを自動で行ってくれます。本社への郵送や外部への委託などの業務が必要なくなり、伝票処理業務を大幅に効率化できます。
3つ目の事例は業態の変革です。
小売業のDXでは、ネットとリアルを融合させたサービスを提供することが増えてきています。
そうした中、ネット販売用の在庫と店舗の在庫の状況を、在庫管理を担当するスタッフが定期的に手作業で確認していることも多いようです。
こうした業務もRPAで代行可能です。
ロボットによってネット販売用の在庫と各店舗の在庫状況を収集し、その結果を各店舗へ自動で共有することができます。ロボットが自動で行ってくれるため、1時間や30分ごとに在庫状況の確認・共有を実施でき、場合によっては10分ごとの共有化も可能です。
このように、小売業の業態そのものを変革していく際にも、RPAは有効な手段となっています。
小売業の成長に対してRPAがどのように貢献するのか簡潔にまとめると、以下の図のような流れで表すことができます。
RPAを導入することで、まずは従業員一人ひとりの作業量を軽減できます。
作業量が減れば、従業員のストレスが減ります。
そして次に、業務プロセスの標準化を実現できます。
各業務を担当者個人に依存した状態から、誰が担当しても効率的に業務を遂行できる状態へと転換できます。
最後に、業態の変革です。
小売業がDX化を推進している中で、RPAはその変革を加速させることができます。
RPAは、ぜひみなさんにご活用いただきたい非常に有効なツールです。
RPA活用にご興味がありましたら、ヴィンクスまでお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
ご高覧、誠にありがとうございました。