VINXニューリテール・コラム
【プロジェクトのよくある落とし穴!】“認識のギャップ”の解消法とは
はじめに
DXの進展やビジネス環境の複雑化により、システム開発をはじめとしたプロジェクトにはこれまで以上に高度な連携を求められています。システム部門、業務部門、経営層、外部パートナーなど多様な立場の関係者が関わるなかで、プロジェクトを成功に導くには綿密な連携が不可欠です。
しかしその一方で、関係者によって「見えている景色が違う」ことが起こりがちです。こうした認識のズレが、プロジェクト遅延や判断ミスの要因として近年注目されています。
今回のコラムでは、“認識のギャップ”が生まれる背景や、それを解消する方法についてご紹介します。
プロジェクトで生まれる“認識のギャップ”
“認識のギャップ”とは、立場や役割、得られる情報の差によって、同じ事象に対する理解や解釈が異なる状態を指します。
例えば、開発を検討している製品について、営業は「顧客が強く求めている」と受け止めていても、開発部門は「リスクが高い」と判断しているかもしれません。新しい取り組みについて経営層は「事業戦略を進めるうえで重要」と考えていても、現場は「既存業務への悪影響が大きい」と感じていることもあります。あるシステムについてIT部門が「技術的に実現可能」と前向きな一方で、業務部門は「運用負荷が増えるのではないか」と懸念しているケースもあります。
■“認識のギャップ”の例
- 開発を検討している製品について
-
営業部門
-
顧客が強く求めている!
-
開発部門
-
リスクが高い案件…
- 新しい取り組みについて
-
経営層
-
事業戦略に必要!
-
現場スタッフ
-
既存業務が圧迫される…
- あるシステムについて
-
IT部門
-
システム上は可能!
-
業務部門
-
運用上の制約が大きい…
いずれも、誰かが誤っているわけではありません。重視している観点や、日々向き合っている課題が異なるため、自然と認識に差が生まれているのです。
問題は、そのギャップが表面化しないままプロジェクトが進行してしまうことにあります。十分に認識をすり合わせないまま開発が進めば、後工程で「想定と違う」という事態に陥ってしまいます。仕様変更や手戻りが頻発し、スケジュールの遅延や追加コストが発生します。さらに、部門間で不信感が生まれることもあります。
“認識のギャップ”は目に見えにくいリスクですが、放置すればするほど影響は拡大します。特にプロジェクト後半で明らかになった場合、その修正コストは大きくなってしまいます。
ギャップを解消する“場”の重要性
こうした“認識のギャップ”を防ぐために重要なのが、認識を合わせる場を設けることです。偶発的なコミュニケーションに任せるのではなく、関係者が前提や意図を共有し、認識のズレを可視化する場を意図的につくるのです。
具体的には、要件定義ワークショップやプロジェクトキックオフ、定期的なステークホルダー会議、部門横断レビュー、オープンな対話セッションなどが“認識のギャップ”の解消の場として挙げられます。
■“解消の場”の例
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要件定義
ワークショップ -
プロジェクト
キックオフ -
ステークホルダー
との定例会議 -
部門横断
レビュー -
オープンな
対話セッション
このような場を設けることで、目的や優先順位の共有がスムーズになり、円滑なプロジェクト推進が可能になります。手戻りや再調整が減り、結果としてプロジェクト全体の生産性が高まります。また、部門間の相互理解が進むことで、摩擦や対立も減少します。
“解消の場”で必要なこと
■“解消の場”の4ステップ
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情報の見える化
各部門が持つ情報を持ち寄って情報を共有し、プロジェクトのリスクなどを明文化して、隠れた認識差などを浮き彫りにする。
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意図や背景の共有
「なぜその判断なのか」「どんな制約があるのか」を共有することで、表面的な議論ではなく本質的な理解につなげる。
-
誤解や前提の
すり合わせお互いの理解・認識を確認し、誤解の解消や前提の共有を行う。
-
立場を超えた協業
部門や役割による立場の違いを超えて、共通のゴールに向けた“チーム”として協働する基盤を形成する。
解消の場では、情報だけでなく、その背景にある意図なども共有することが重要です。重要なのは形式そのものではなく、“認識のギャップ”を明らかにし、対話によってすり合わせられる場になっているかどうかです。しっかり認識を共有することが、後工程での品質とスピードに大きな影響を与えます。
なぜその要望が出ているのか。どのような現場課題が存在しているのか。どの制約を前提として判断しているのか。こうした背景を共有することで、表面的な議論から一歩踏み込んだ理解が生まれます。
例えば、ヴィンクスが携わる開発プロジェクトにおいて事業部門との認識合わせを行う場合には、まずは実際のオペレーションを丁寧に説明してもらい、現場が抱えている課題についてヒアリングを行います。そのうえで、今回のプロジェクトがその課題解決につながるのかを一緒に検討していきます。一方的に方針を提示するのではなく、丁寧に認識をすり合わせることで“認識のギャップ”を解消します。
共通のゴールを目指していることを再確認し、前提や誤解をその都度すり合わせる。この積み重ねこそが、“認識のギャップ”の解消につながります。
おわりに
関係者が同じ方向を向き、共通の認識を持てているかがプロジェクトの成果に直結します。
“認識のギャップ”は自然に生まれるものです。しかし、それを放置するのか、意図的に解消する場を設けるのかで、プロジェクトの結果は大きく変わります。ヴィンクスでもこうした認識のすり合わせを重視しながら、お客様のプロジェクトをご支援しています。
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