VINXニューリテール・コラム
【省力化・省人化が可能に!?】これから推進すべき物流DXとは

流通小売業を支えている物流は今、急速に変化する社会情勢や市場ニーズの影響を受けてさまざまな課題に直面しています。なかでもEC市場の拡大や「物流の2024年問題」によって生じている人手不足は深刻です。
前回の記事では配送頻度やスケジュールを見直すことでの人手不足の対応策をご紹介しましたが、今回はロボットやAIの活用による省力化・省人化の事例をご紹介します。
ロボットの「倉庫業務」への活用
倉庫業務の自動化も物流の省力化・省人化に大きく貢献します。そこで、ロボット技術を導入し、倉庫業務の自動化を推進した3つの事例をまずご紹介します。
① ピッキングロボット
ロボットによるピッキング作業の自動化も可能になっています。AI技術を活用することでさまざまな形状・サイズの商品を正確にロボットでピッキングでき、作業ミスも抑制されるため、大幅に作業時間とコストを削減できます。

ネットスーパーの大型物流センターの事例では、ロボットを導入したことによって6分間に50品目もの商品をピッキング可能に。そのことによって従業員による作業よりも10倍も効率化されました。
参考:ビジネス・インサイダー・ジャパン「イオンの新ネットスーパー、ロボット活用で10倍の効率化。ターゲットは都心の若者」
② 仕分けロボット
商品の仕分け作業を自動的に、高速で行ってくれるロボットの導入事例も出てきています。バーコードやRFIDタグを読み取ってロボットが仕分けを行うことで、大量の荷物を短時間で処理し、出荷リードタイムを短縮できます。

仕分けロボットを導入したことによって、約40%も作業時間が短縮した事例もあります。今後、仕分けロボットが倉庫業務の効率化に大きく貢献していくはずです
参考:Roboware「オムニソーター導入で40%の時間削減!EC物流波動に対応し安定した作業が実現。」
③ 自律走行搬送ロボット(AMR)
障害物を避けながら倉庫内を自由に移動し、荷物の運搬を効率化するのが自律走行搬送ロボットです。最適なルートを自ら判断して移動するため、棚入れ作業などさまざまな業務に活用できます。現在は多くの倉庫や工場での導入が進んでいます。

AIの「配送業務」への活用
前回の記事では、今後期待できる施策として「AIを活用した配送ルート」の最適化について触れました。これはAIを活用し、リアルタイムでの交通状況や配送先の優先度を考慮した配送ルートを策定するDX施策です。従来のように経験や勘に頼るのではなく、データに基づいた配送計画を立てることで、配送時間の短縮や最適なリソースの配分が可能になるのです。

実はAIを活用した配送シミュレーターの導入事例もすでに出てきています。AIによって配送ルートの最適化を行うことで、配送コースとトラックの台数をそれぞれ1割も削減でき、大きな成果が生まれているのです。
参考:物流2024年問題に対する配送ドライバー確保への取り組み デジタルサイネージなどの活用により採用数は約4倍!|ニュースリリース|ファミリーマート
ドローンの「配送業務」への活用
まだ実証実験を行っている段階ではありますが、今後はラストワンマイルの配送へのドローンの活用も期待されています。ドローンを活用して配送センターからお客様へ荷物を届けることで、物流が大幅に効率化され、ドライバー不足の解消に大きな効果があると言われているのです。山間部の過疎地や離島への迅速な配送も可能になり、社会インフラを支える技術になると注目されています。

東京ではすでにドローンによって医薬品を配送する実証実験が行われています。これは社会実装に向けて行われている実験なので、そう遠くない未来にドローンによる配送が実現するはずです。
物流DXの効果と今後の課題
今回の記事で紹介しているような物流DXを推進していくことにより、主に3つの効果があるとされています。
▶効率化・生産性の向上
物流業務を効率化できるのはもちろん、ロボットやAIは365日稼働できるため、人手不足の解消にもつながります。また、業務をデジタル化することで情報共有やデータの蓄積・分析が容易になり、業務プロセスの改善もしやすくなります。
▶顧客満足度の向上
迅速かつ正確な配送が可能になることで、お客様への多様なニーズに対応できるようになります。
▶コスト削減
倉庫業務の自動化などによって人件費の削減が可能になるとともに、在庫管理を最適化することで過剰在庫の防止にもつながります。また、配送計画を最適化すれば燃料費や車両維持費を削減できます。
物流だけではなく小売業もDXが進んでいます。AI自動発注など小売業のDXにも目を向け、互いのDX化が進むことで更なる効果が期待されます。
おわりに
今回は物流DXの事例についてご紹介しました。DXによる変革は、もちろん簡単なことではありません。だからこそ、流通小売業のみなさんをヴィンクスがサポートし、DXを実現していきたいと考えています。DX関連でお困りの際にはぜひご相談ください。
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