【お客様に愛されるECサイトへ!】運用に必要な改善・対策とは | 島本 聡 | VINXニューリテール・コラム | 株式会社ヴィンクス| 流通小売業向けシステム

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【お客様に愛されるECサイトへ!】運用に必要な改善・対策とは

【お客様に愛されるECサイトへ!】運用に必要な改善・対策とは

はじめに

VINXニューリテールコラムではこれまで、ECサイトの構築時に気をつけるべきポイントや、開発工程でおさえておくべきポイントについてご紹介しました。

今回は、サービス開始後の運用にフォーカスし、必要となる改善や対策を解説していきます。ぜひECサイト運用のヒントにしていただければ幸いです。

 

ECサイトにおける運用の重要性とは?


ECサイトの構築・運用は、上の図のように主に「計画/企画」「要件定義」「開発」「運用・改善」の4ステップに分かれています。今回のコラムでフォーカスするのは開発後の「運用・改善」です。

ECサイトの運用とは、商品・注文の管理や決済、配送、顧客サポートなどの日々のオペレーションだけでなく、より良いサイトにするための施策やセキュリティ対策なども含まれます。そうした改善を繰り返すことで、多くのお客様に愛され、繰り返し商品をご購入いただけるECサイトになっていきます。

また、リアル店舗ではお客様が複数のお店を比較しようとすると、各店舗を物理的に行き来する必要があり非常に労力がかかります。一方でECサイトはWebで検索するだけで他店との比較が容易にできるため、価格の安さなどに優位性を持つ特定のサイトに人気が偏る傾向があります。



ECサイトを改善していくには、主に以下の2つのことを行う必要があります。

① 集客・改善活動  ……  集客のプロモーションや利便性の向上
② 安定稼働対策   ……  お客様に安心してご利用いただくための対策


それぞれのポイントについて、これから詳しくご紹介していきます。

集客・改善活動におけるポイント


■ SEO対策

SEOとはSearch Engine Optimization(検索エンジンの最適化)のこと。お客様がECサイトを訪れるきっかけの多くはGoogleなどの検索エンジンからのため、キーワード検索で上位表示されるための対策は、ECサイトにおいて非常に重要です。
検索エンジンに自社のECサイトの情報を提供したり、独自性のあるコンテンツで検索エンジンからの評価を高めたりするなどの対策が有効です。

■ 広告出稿

Web広告を出稿して認知度を高めるのも、効果的なプロモーションです。特定のワードで検索したときに表示されるリスティング広告や、他のWebサイトで紹介してもらうアフェリエイト広告などがあります。
出稿量やワードの選定によっても費用が変わってくるため、費用対効果を高めながらプロモーションを行うことが大切です。

■ コンテンツマーケティング

お客様のためになる記事を公開するなど、ECサイトに独自コンテンツを設けることもプロモーションの手段となります。定期的にお客様が訪れてくれたり、SNSでそのコンテンツが拡散されたりすることで、集客や認知拡大につながっていきます。
このコンテンツマーケティングはSEO対策のひとつとも言え、即効性のある対策ではありません。しかし、継続して取り組むことで中長期的には大きな効果を発揮します。


これらの施策を実施しても、期待していたような集客・売上につながらないこともあります。 そのような際に、ただプロモーションを続けているだけでは、その方法が間違っているのか、それともECサイトの構成に問題があるのかが不明瞭であり、効果的な対策が行えないものです。必要となるのは、以下のような具体的な数字による分析を行い、対策を考えることです。


 

■ 自社ECサイトの分析

Web分析サービスと連携させることで、ECサイトのさまざまな指標を分析できます。サイト全体やページごとの閲覧数/アクセスユーザー数、コンバージョン率、流入経路、滞在時間、検索ワードなどを属性別に取得することで、自社ECサイトの強み・弱みが見えてきます。

■ 他社ECサイトとの比較・分析

競合やベンチマークと考える他社ECサイトについて調べられるサービスがあります。同じ検索ワードでの流入数や滞在時間、ページ閲覧数などを自社ECサイトの実績と比較することで、改善点や目標値が明確になります。また、商品の見せ方やコンテンツの量・内容についても参考にできることがあるはずです。

ヴィンクスのお客様も、分析結果を運用に活かすことで改善に成功しています。例えばあるお客様は、従来はプロモーションをひたすら実行していた運用を見直し、自社ECサイトの実績や他社の施策を日々チェックし、分析にもとづいた対策や新施策での試行錯誤を繰り返したところ、モール内でのトップセールを獲得。ECサイト運用においてもPDCAサイクルが重要であることがわかる良い事例と言えます。

安定稼働対策


昨今のECサイトにおいては、転売を目的とした大量アクセスや不正利用などにより、サイトの安定性や信頼性が損なわれる場合があります。せっかくさまざまな集客・改善を実施し、多くのお客様に訪問いただいても、「サイトがちゃんと動かない」「安心して利用できない」と不安を抱かれてしまっては本末転倒です。

そのような事態を防ぎ、ECサイトを安定稼働させ続けるには、主に以下のような対策が必要です。

■ 大量アクセス対策

人気商品の発売時や大規模セールの実施時には、瞬間的に大量のアクセスが発生することがあります。広告を出稿していなくてもSNSなどで情報が拡散され、予想を大幅に超えるお客様がアクセスしてくるのです。

そして、同時にアクセスが集中すると、システムが不安定化してしまいます。ときにはシステムがダウンしてしまうことも。そうした事態を招かないためには、これまでの実績を分析して今後のアクセス量を予測し、サーバーの性能アップ、台数増加、キャッシュサービスの利用などによって負荷を分散させる対策が必要です。また、限界を超えるアクセスに対しては、待機室サービスによってサーバーダウンを予防する仕組みを構築しましょう。

■ 外部攻撃対策

ECサイトには誰もがアクセスできるため、悪意ある集団から攻撃を受けることがあります。
海外拠点からの攻撃やBotによる機械的な攻撃が多いため、IPによるアクセスフィルタリングや自動判定によるBotのブロックなどの対策が考えられます。
※単純な作業を自動的に繰り返し行うアプリケーションのこと。情報セキュリティの分野では、悪意を持った攻撃者からの指令を実行する不正プログラムを指す。

悪意を持った組織は継続的に、手段を変えながら攻撃を仕掛けてくるため、こちらも対策し続ける必要があります。定期的にWebアプリケーションの脆弱性診断を実施し、発覚した脆弱性への対策を行うことをおすすめします。

 

■ 不正利用対策

不正に取得したクレジットカード番号を利用されたり、他サイトで流出したアカウントIDやパスワードを利用したアクセスを受けたりする危険性があります。
また、転売目的に何百、何千ものアカウントをひとりで作成し、ログインしてくるようなケースもあります。新規会員が大きく増えていると思ったら、実際にはBotによる大量登録であったなんてことも。対策を行わないと悪意ある集団内で情報が広がり、被害が甚大化してしまう危険性もあります。
これらへの対策としては、不正注文を審査するサービスや、3Dセキュアや多要素認証といったID/PASS以外の認証方式の追加などが効果的です。自社サイトで不正利用が行われていないかをチェックするために、定期的に利用状況やアクセス状況を調査しましょう。

おわりに

今回ご紹介したポイントをおさえることで、お客様のECサイトに対する満足度が向上し、ロイヤルカスタマーの増加や売上向上につながっていくはずです。利便性や安定性を高める新たな技術も日々登場しているので、それらも活用しながらより良いECサイトへと発展させていきましょう。

改善や対策を進めていくにはさまざまな専門知識も求められます。ヴィンクスではECサイトの運用をご支援していますので、お困りの際にはぜひご相談ください。





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島本 聡 Satoshi Shimamoto

デジタルソリューション事業部
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プロジェクトマネージャー

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