思わぬ落とし穴も?ECサイトの開発工程で必ずおさえるべきポイント | 松田 裕 | VINXニューリテール・コラム | 株式会社ヴィンクス| 流通小売業向けシステム

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思わぬ落とし穴も?ECサイトの開発工程で必ずおさえるべきポイント

思わぬ落とし穴も?ECサイトの開発工程で必ずおさえるべきポイント

はじめに

以前のコラムでは、ECサイトを構築・運用する上で大切なポイントをご紹介しました。その際には構築・運用全体について解説しましたが、今回の記事ではECサイト構築時の開発工程にフォーカスします。みなさんのECサイト構築やリニューアルのヒントになれば幸いです。

 

開発工程がECサイト構築の成否をわける?

ECサイトの構築・リニューアルは、主に以下のようなステップによって行われます。

① 計画/企画
・ECサイトの目的・目標や方向性を決定
・ゼロからオリジナルで構築するのか(フルスクラッチ)、ECサイト用のパッケージを導入するのかなど、構築・リニューアルを実現する方式の決定

② 要件定義
・ECサイトに必要な機能の決定

③ 設計、開発、テスト、移行、導入
・構築またはリニューアルのためのシステム開発
・リニューアルサイトへの切り替え

④ 運用、改善
・ECサイトの運用活動、改善対応

今回のコラムでフォーカスするのは、②〜③の工程です。

 


これらは一般的に開発工程と呼ばれる領域であり、導入パッケージなどがすでに決定した後の工程です。この開発工程において、ECサイトの構築・リニューアルを行う企業のシステムご担当者が注意すべきポイントや、開発を担うベンダーと意識を共有すべきポイントなどについてご紹介します。

ご紹介するポイントは全部で5つです。流通小売業のECサイト構築を長年サポートしてきたヴィンクスの実績をもとに、陥りがちな失敗などもご紹介していますので、ぜひこのポイントは必ずおさえるようにしてください。

 

Point 1 目的・目標を常に忘れない

ECサイトの目的・目標を、開発工程のあらゆる局面で必ず振り返るようにしましょう。要件定義の際はもちろんのこと、開発やテスト、導入の段階においても目的・目標を振り返ることで、進むべき方向性やゴールが明確になります。

プロジェクト発足時に定めた目的・目標は、開発が本格化してきて日々の業務に追われるようになると、つい見失いがちになってしまうもの。ECサイト構築・リニューアルのそもそもの目的・目標をいつも意識しておきましょう。

 


山を登る図

 

 

Point 2 必要な機能を明確化

ECサイトのリニューアルを行う際には、従来のサイトにはなかった新たな機能や斬新な機能を追加することばかりに注目してしまうものです。必要な機能がリニューアルの際に失われてしまわないように、気をつけなくてはなりません。業務フローをドキュメント化することなどで、リニューアル後のサイトに必ず引き継がなければいけない機能を明確にし、開発に携わるメンバーでしっかり共有しておきましょう。

気をつけていただきたいのが、「当たり前」や「普通」が人や立場によって異なるということ。ECサイトをリニューアルする企業側は、従来のサイトにあった機能が「当たり前」に備わっていると考えがちです。一方でベンダー側は、自社のパッケージの標準機能が「当たり前」の機能だと思っていることも。そうなると、双方の意識に大きなズレが生じたまま開発が進んでしまいます。

 


4人で相談する

 

 

Point 3 移行・テスト計画の共有

移行とテストの計画については、その方針だけでなく、具体的な方法までを要件定義の段階で共有しておきましょう。移行やテストは下の「V字モデル」に沿って行うことが一般的ですが、「いつ」「誰が」「どの環境」で移行・テストを行うのかまで踏み込んだ情報を共有しておくことが重要です。


よくある失敗が、要件定義の段階で移行とテストの大まかな方針しか共有されていないというケースです。そのような進め方をすると、実際に移行やテストを行う段階で、「時間が取れない」「人が足りない」とリソースを用意できない事態に陥ってしまいます。

 

Point 4 プレオープンの十分な実施

魅力あるECサイトを完成させるには、顧客視点でのチェックも欠かせません。正式に公開する前に、限られたユーザーだけが使用できるプレオープンの期間を設けるようにしましょう。入念に要件定義やテストを実施していたとしても、プレオープンでしか発見できない不具合や性能面での課題が存在するものです。

プレオープンにおいて気をつけるべき点は、十分な期間を設けるということです。早期に公開したいという焦りからプレオープンの期間を短く設定してしまうと、公開後にトラブルが生じる要因となってしまいます。

 

Point 5 入念な最終チェック

ECサイトのリニューアルの際には、サイトへの切り替え時にドメイン変更やURL変更、リダイレクトの設定など、さまざまな作業を行う必要があります。

この切り替えでの失敗としてよく耳にするのが、メインとなるページの設定は変更したもののサブページの変更を忘れていたというケースや、ページ内に埋め込まれていたURLの変更が漏れていたというケースです。チェックリストを作成して最終チェックを行い、安心・安全な状態で公開を迎えるようにしましょう。
 


チェックリスト

 

 

おわりに

今回ご紹介したポイントを実行することで、ECサイト構築・リニューアルの成功率が格段に向上するはずです。プロジェクトの期間・コストには制約がありますが、5つのポイントは最低限おさえるようにしましょう。

また、ヴィンクスでは、導入パッケージやITベンダーが決定した後のご支援も行っています。お客様(発注者)と一体となり、ECサイトの構築・リニューアルを実行し、ベンダーとの意識を共有する方法なども、長年の実績と流通小売業に関する豊富な業務知識にもとづいてサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください
 

この記事へのお問合せ

松田 裕 Yutaka Matsuda

リテールソリューション第2事業本部
デジタルリテール3部第1課
プロジェクトマネージャー

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