VINXニューリテール・コラム
【探さずに買える時代へ!】AIを活用したエージェンティックコマースとは
はじめに
オンラインショッピングは生活に欠かせないものとなりました。しかし一方で、オンラインショッピングに対して「欲しい商品が見つけづらい」「操作がわかりづらい」といった不満を持つ消費者もいます。
商品数が増え、情報が高度化するなかで、検索・比較・検討にかかる負担はむしろ大きくなっている側面もあります。本来利便性を高めるはずのECが、意思決定を困難にしているのです。ヴィンクスがご支援している小売事業者様からも、そうした購買体験におけるストレスが、お客様のECサイトからの離脱につながっているという課題をよくお聞きします。
こうした課題の解決策となるエージェンティックコマースについて、今回はご紹介します。
エージェンティックコマースとは
参照:
電子取引実態調査(経済産業省)
(経済産業省)より 1990年代後半に登場したEC(Eコマース)は、上の図のように時代とともに進化を遂げてきました。そして今、エージェンティックコマースの登場によって新たな変革を迎えようとしています。 ■エージェンティックコマースでの購買体験 購入者 ユーザーが検索、絞込・レビュー確認などしてから購入を決定 ECサイトは選択肢の指示のみで 販売者 購入者 AIが条件を整理し提案、決済方式や配送日の設定もサポート AIエージェント 販売者 エージェンティックコマースの利用形態は大きく2つあります。ひとつはCopilotやChatGPTなどのAIプラットフォーム経由で利用する方法。もうひとつは小売事業者の自社アプリやECサイト内にAIエージェントを実装する方法です。 AIプラットフォーム経由 AIプラットフォームから 購入者 自社アプリ/ECサイト経由 AIエージェントを実装した 購入者 エージェンティックコマースの登場は検索機能の進化ではなく、購買体験の大きな変化です。ユーザーが探し、比較し、手続きを行う従来型のECから、AIが対話を通じて購買を支援する次世代モデルへの転換が始まろうとしています。 エージェンティックコマースは、顧客体験だけでなく、売上構造やマーケティング戦略にも影響を与えます。 ■エージェンティックコマースの仕組み エージェンティックコマースを実現するためには、データを一元的に扱える基盤と、共通化された情報管理が欠かせません。さらに、在庫や価格などの情報をリアルタイムで更新できる仕組みも重要です。商品情報にズレがあったり、データの形式がバラバラだったりすると、AIはうまく情報を活用することができません。
現在のECに対する消費者の不満を解消するソリューションとして、エージェンティックコマースは大きな可能性を秘めています。AIが買い物を支援する時代は、確実に近づいています。
エージェンティックコマースとは、AIがユーザーの意図を理解し、商品の比較・提案、決済、配送条件の最適化までをサポートしてくれるサービスです。すでにアメリカの大手小売業では導入が始まっています。
従来のECでは、ユーザーがキーワード検索を行い、条件を絞り込み、レビューを読み、最終的な意思決定を行ってきました。常にユーザーが主体的に動く必要があり、ECサイトは選択肢を提示するだけでした。一方でエージェンティックコマースでは、ユーザーは“目的”を伝えるだけでよくなります。
「来週の沖縄旅行に向けて服を買いたい」
「来月の出張用に軽くて丈夫なスーツケースを探してほしい」
「家族4人分の1週間の食材を予算内で提案してほしい」
このような依頼に対して、AIが条件を整理し、価格やレビュー、過去の購買履歴、在庫情報などを横断的に分析し、最適な提案を行います。また、決済方式や配送希望日の設定までもサポートしてくれます。
ユーザーが主体的に動く必要がある
■エージェンティックコマースの利用方法
(ChatGPTやCopilotなど)
アプリ・ECサイトから
ECビジネスにもたらす大きなインパクト
まず期待されるのがコンバージョン率の向上です。海外の事例では、導入によってコンバージョン率が30%向上したとの報告もあります。AIがユーザーの迷いを減らし、最短距離で購入に導くことで、離脱率を低減できるのです。
また、集客の考え方も変わります。これまで主流だったSEO(Search Engine Optimization)は、検索エンジン上での表示順位向上を目指すものでした。しかしAIエージェントが購買の入口となる場合、「AIに正しく理解され、推薦されること」が重要になります。これがGEO(Generative Engine Optimization)と呼ばれる考え方です。商品情報の構造化、在庫データの正確性、スペック情報の明確化など、AIが扱いやすいようにデータを整備することが競争力を向上させます。
現在、エージェンティックコマースはまだ北米で試験的に展開されている段階ですが、日本にも遠くないうちに導入されると考えられます。導入が進めば、ユーザーの購買体験は次のステージへと向かうことになるでしょう。ヴィンクスの取り組みと導入支援
ヴィンクスでは、流通小売業向けの基幹システムやデータ統合基盤の構築を通じて、AI活用を見据えた環境整備を支援しています。CRM(顧客管理システム)や在庫管理システムの導入・連携にも対応しており、現在主流であるECサイト構築のノウハウも活かしてAI対応をご支援しています。
さらに現在、エージェンティックコマースの導入に向けた取り組みとして、OpenAIと共同開発を行っているStripeとの協業を開始しようとしています。Stripe社が提供する仕組みと、小売事業者様の基幹システムをヴィンクスが連携させることで、お客様のエージェンティックコマースの実装をご支援します。
AIによる対話型の購買体験はECの次世代モデルになるはずです。ヴィンクスはこの構造変化にいち早く対応し、小売事業者様への導入支援を積極的に進めていきます。
おわりに
そのときに問われるのは、データの整備状況とDX基盤の成熟度です。未来の競争力は、今どれだけ準備できているかにかかっています。エージェンティックコマースが当たり前となる時代を見据え、例えばOCRによる情報のデジタル化など、今できる取り組みから着実に進めていくことが小売業のDXを推進する大きな一歩となるはずです。
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