【PoC後のテストも不可欠!】DX時代のシステム構築の落とし穴とは | 貝津 治彦 | VINXニューリテール・コラム | 株式会社ヴィンクス| 流通小売業向けシステム

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【PoC後のテストも不可欠!】DX時代のシステム構築の落とし穴とは

【PoC後のテストも不可欠!】DX時代のシステム構築の落とし穴とは

はじめに

例えば、スマホを用いてお客様自身で決済できる仕組みを構築するなど、昨今では流通小売業の企業でもさまざまなシステム導入が進んでいます。そのようにDXが推進されていくなかで、システム開発においてはPoC(Proof of Concept=概念実証)を活用して開発を行うことが多くなってきています。
しかし、PoCで課題の洗い出しを行っていれば、その後の本格的なシステム導入時に検証が不要になるわけではありません。このコラムでは、PoCを用いたシステム開発の流れをご紹介するとともに、その後の重要なテストについてもご説明します。

 

システム開発時のPoCまでの流れ

PoCを用いたシステム開発

PoCを用いたシステム開発

PoCを活用した昨今のアジャイル開発※1では、上記のようなプロセスで開発に着手しています。
※1)計画→設計→実装→テストの開発工程を小さなサイクルで繰り返し、迅速かつ柔軟に開発を進める手法。

《Step1》サービスの企画
まずは、お客様との接点で収集したデータなどから明らかになった課題を解決するために、どのようなサービスが必要なのかを企画します。「そのサービスによって、なにを実現したいのか」という業務要求や「どのような機能・性能をサービスに求めるのか」というシステム要求を定義します。その際には、既存システムとの連携やデータ処理の方法についてイメージしながら、全体の構成を決めていきます。

《Step2》PoC実施
サービスの構成が固まってきたら、新サービスのプロトタイプを作成し、カスタマー操作画面などについて検証します。利用者を限定したPoCを繰り返し、具体的な検証を行うことで改善点を洗い出し、システム要件を確定していきます。

 


PoCで可能になること

PoCで可能になること


PoC後の開発で重要になってくるテストとは?

PoCを何回か実施し、実現性の確認や課題の洗い出しを終えたら、本格的なシステム開発に着手します。主に以下のような流れで開発は進んでいきます。

 


PoC後のシステム開発の流れ

PoC後のシステム開発の流れ

PoCでは手作業などで行っていたデータ連携の自動化なども行います。そして、これらの工程は、ウォーターフォール型開発※2で進んでいきます。
※2)開発の上流工程から下流工程を順番に進めていく開発手法。

その際に重要なのが、PoCで検証できなかった領域のテストです。

実際のシステムでは利用者数やデータ量がPoCよりも大幅に増加します。業務要求やシステム要求で定めた条件が本当に満たされるのか、そして満たされない場合には回避策が機能するのかなどを、システム全体を対象にしてテストを行う必要があります。

また、システム利用者が大きく増えた場合に備えて、Webサーバーやデータベースサーバーの限界値や、それらのスケールアップが可能なのかといった運用面での検証も重要です。

 


システム構築時に必要になるテスト・準備

システム構築時に必要になるテスト・準備


テストが不十分だとトラブルの可能性も

システムの不具合が相次いだため、導入後すぐに停止してしまったサービスを思い当たる読者の方もおられるのではないでしょうか。
例えば、スマホアプリでお客様が商品を注文できるようなサービスを開始したものの、想像以上のお客様にご利用いただけたため、アプリの裏側で動いているデータベースが耐えられなくなるような事例が代表的なものです。こうした事例が実際に数多く発生しているのです。

 


不十分なテストにより起こるトラブル事例

不十分なテストにより起こるトラブル事例

こうした事態を招かないためにも、システム開発時のテストは不可欠です。
そして、どのような点に注意してデータベースなどのテストを行うべきかについては、流通小売業向けならではのポイントもあります。長年にわたって流通小売業のシステム開発を手掛けてきた実績から、ヴィンクスではそうしたノウハウを蓄積しています。

 

おわりに

最後までお読みいただきありがとうございました。

サービスの規模や予算に応じて開発の進め方にはさまざまな手法がありますが、ヴィンクスが培ってきたシステム開発のプロセス管理が、お客様の開発においても役立つはずです。DX推進におけるシステム開発でお困りの際には、ぜひご相談いただければと思います。

 




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貝津 治彦 Haruhiko Kaizu

執行役員
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