クラウド活用における環境構築のポイント | 殿村 直樹 | VINXニューリテール・コラム | 株式会社ヴィンクス| 流通小売業向けシステム

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クラウド活用における環境構築のポイント

クラウド活用における環境構築のポイント

はじめに

DX化を進めるにあたって、クラウド環境でシステムを構築・運用することが増えています。
今回は、当社が考えるクラウド活用時の重要なポイントについてご紹介します。

 

本コラムのセミナー動画「クラウド活用の構築ポイント」を見る



クラウドの活用はDX化推進に「不可欠な要素」へ

 


この図は、DXを推進する上で必要な要素をまとめたものです。
当然ではありますが、デジタル技術が必須の要素となっており、以下のような技術を活用するのが昨今では主流になっています。

 

① マイクロサービス/コンテナ技術
めまぐるしいビジネス環境の変化に対応するために、スピーディかつ継続的な改善が可能な「マイクロサービス」や「コンテナ」技術を利用することが増えています。

② API
多様なデバイスに柔軟に対応するためにAPIを活用します。

③ クラウド
クラウドならサーバリソースの迅速な調達・増減が可能です。

 

アプリケーションを稼働させる基盤の構築がボトルネックになってしまわないように、クラウドの活用はDX化を進める上で不可欠なものになっているのです。

 

 

クラウドでのシステム設計・構築のポイント

クラウドでシステム設計・構築をする上では、以下のような点が重要なポイントとして挙げられます。

 


 

ポイント①「システム要件にあったクラウド環境設計」

クラウド環境を設計する上では、システム要件に適した非機能要件を定義することが重要です。
※非機能要件…機能以外の要件のこと。システムの性能や可用性、セキュリティなどを指します。
 

ポイント②「ビジネス・スピードに合わせた素早いシステム構築」

PoC環境などを活用することでスモールスタートが可能になります。
※PoC…Proof of Conceptの略で「概念実証」という意味。新たなシステムを開発する前に、試作開発の前段階として検証やデモンストレーションを行う工程のこと。
 

ポイント③「クラウド環境でのセキュリティ対応」

オンプレミスでのシステム構築とは、大きく異なるセキュリティ対応が求められます。自社で行うべき対策を実施し、信頼できるクラウド業者を選定することで高いセキュリティ性を確保できます。
 

この3つのポイントをおさえたクラウド環境を設計・構築した具体的な事例をご紹介します。

 

 

事例① 「クラウド移行」

 


最初にご紹介するのは、オンプレミスのデータセンターからクラウド環境にシステムを移行した事例です。

 


お客様は非機能要件の設定を苦手とされていることも多いため、当社がサポートして非機能要件を盛り込んだ移行ガイドラインを作成しました。そしてシンプルなルールを取り決め、目的や判断ルールを明確にすることで、業務要件での調整を最小限に抑えました。

 


これは非機能要件を定める際のポイント例です。
クラウドへ移行する際に、機能要件はそのまま移行したとしても、非機能要件はクラウドの特性を考慮して設計を行わなくてはなりません。

 


特に可用性、拡張性、バックアップ/リストアについては、新たに再定義しなくてはなりません。利用するクラウド環境の構成を十分に考慮した上で設計を行いましょう。

 

 

事例② 「データ活用」

 


次は、データ分析の環境をクラウド環境で構築した事例です。クラウドサービスを利用することで高価なDWH(データウェアハウス)を構築する必要がなくなり、コストを大きく削減できます。

 


また、システム設計・構築においてもビジネス環境の変化へのスピーディな対応と継続的な改善が求められている中で、クラウドを活用することで低コスト&迅速な検証が可能になります。スモールスタートで検証し、次フェーズへ進むかの投資判断や臨機応変な改善を行えるのです。

 

 

事例③ 「リモート環境構築」

 


3つ目は社内LANへのリモートアクセス環境を構築した事例です。コロナ禍の中で、リモートワーク可能な環境を早急に整えたいお客様のご要望にお応えしました。

お客様がマイクロソフト社の製品を導入していたため、マイクロソフト社のAzure Virtual Wanを利用してリモート環境を構築。約500名が同時接続できる環境を短期間で整備しました。

環境を構築する際に重視したのが『セキュリティ』です。

 


クラウド環境では、「データの保存場所」と「セキュリティ自動更新」がオンプレスミスの環境と異なります。自社で守るべきセキュリティ対策を明確化し、信頼できるクラウドサービスを選定することで、十分なセキュリティ対策が可能になります。

クラウド事業者に任せるセキュリティ対策をしっかり理解した上で、自分たちが実施すべきセキュリティ対策を検討しましょう。

 

 

おわりに

 

今回はクラウドサービスを活用した環境構築時に重要なポイントについて、事例とともにご紹介しました。クラウド活用にご興味やお困りごとがありましたら、ぜひヴィンクスにお問い合わせください。

 

本日はご高覧いただき、誠にありがとうございました。

 

 




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この記事へのお問合せ

殿村 直樹 Naoki Tonomura

アウトソーシング事業本部
ITサービス1部第2課

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