VINXニューリテール・コラム
【小売業のDXシリーズ】小売業を大きく変革するニューリテールとは?

小売業のDXを考える上で、非常に重要なのが『ニューリテール』という言葉です。DXによる変革を進めていく上では、このニューリテールという言葉が持つコンセプトを理解しておく必要があります。そこで今回は、ニューリテールのコンセプトや最新の取り組みについてご紹介します。
本コラムの動画「ニューリテール概要編(小売業のDX 01)」を見る
ニューリテールとは、2016年にアリババグループの創業者であるジャック・マー氏が提唱した概念です。AIやビッグデータなどの新しい技術によって小売業を変革するというコンセプトを持っています。
このコンセプトのもとアリババグループでは、オンラインとオフラインを融合させ、新しい消費体験を提供する盒馬鮮生(フーマーシェンシェン)というスーパーマーケットを展開しています。また、アメリカでは商品を手に取って店舗から出るだけで会計が自動で行われるAmazon Goがオープンし、大きな話題となりました。
盒馬鮮生やAmazon GOが世界的に大きな衝撃を与えたこともあり、アメリカのウォルマートやKroger、そして日本のトライアルグループなど、現在は世界中の小売業がニューリテール化に向けた新たな取り組みを推進しています。
では、ニューリテール化によって小売業はどのように変革していくのでしょうか。
私たちは以下のような変革が起こると考えています。
■ 作業の変革
新しい技術を用いることで、店舗運営の「自動化・省力化・省人化」が進んでいきます。
■ 業務の変革
会計業務などが新技術によって変わってきており、小売業は1980年代のPOS普及以来の大きな変革期を迎えています。
■ 事業の変革
ネットとリアルの融合などによって、小売業の業態が変革される事例が増えています。ニューリテール化によって、今後は小売業そのもののあり方が変わっていくのではないでしょうか。
次に、ニューリテール化によって現在小売業に起きている3つの流れについてご紹介します。
■ 流れ①「スマートストア化」
スマートストア化とは、効率的に運営可能で、お客様にとっても便利なお店をつくるという考え方です。Amazon Goに代表される無人店舗をはじめ、AIカメラによって商品配置の分析などを行う店舗や、ショッピングカートにタブレットを搭載する店舗などが登場しています。
■ 流れ②「ネットとリアルの融合」
盒馬鮮生のように、リアル店舗の機能に加え、ネットで注文を受けて配送を行うEC&物流の機能も備えた業態が生まれています。また、EC事業者が見本店舗としてテナントに出店する「モノを売らない店舗」なども注目を集めています。
■ 流れ③「店舗のメディア化」
日本のトライアルグループでは、店舗内にさまざまなサイネージを展示し、それらをショッピングカートと連動させることで、商品の認知度や売上を上げることに成功しています。また、カスミやマルエツといったスーパーマーケットを展開するU.S.M.H(ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス)では、Ignica(イグニカ)というITプラットフォームを活用しており、このプラットフォームにおいてもデジタルサイネージが重要な役割を果たしています。
現在は日本でも、ニューリテールの実現に向けたさまざまな実証実験が行われています。下の図は、国内の実証実験の状況を表したものです。
この図を見ても、小売業のさまざまな企業がIT企業と連携し、ニューリテール化を進めていることがわかります。
また、トライアルの店舗で導入されているスマートショッピングカート(タブレットを搭載したショッピングカート)や、スマートフォン決済を可能にするU.S.M.HのIgnicaのような仕組みは、すでに普及段階に入ってきていると言えます。
今後も、国内でもニューリテール化の成功事例はますます増えてくるはずです。
ニューリテール化を進めていきたいと考える小売業の皆様、ぜひヴィンクスにご相談ください。最新の技術を活用した『ニューリテール化』を私たちヴィンクスが支援させていただきます。
この度はご高覧いただき、誠にありがとうございました。
 
