VINXニューリテール・コラム
食品ロスを削減するヴィンクスの加工管理ソリューション

食品ロスをいかに削減するかが小売業の大きな課題となっています。今回の記事では、お惣菜やお弁当のロス削減に貢献する加工管理ソリューションについてご紹介します。
本コラムの動画「売場から考える食品問題 ~リアル在庫から見える新しい小売の未来~」を見る
食品ロスの改善は、利益率向上の観点だけから必要になっているわけではありません。現在、食品ロスの問題が世界的に大きな注目を集めています。先進国を中心とした経済的に豊かな国々では多くの食品を廃棄している一方で、一部の国や地域では食べ物が不足し、栄養不足に陥っている人々がいます。
このような問題を解決するために2015年の国連サミットで定められたのがSDGs(持続可能な開発目標)です。この中で、食品ロスの量を2030年までに2000年の半分にするという目標が掲げられています。
日本の事業系食品廃棄に注目すると、下の図の通り、目標を達成するには2019年のロス量から36万トンも減らす必要があることがわかります。
東京都における1年間の事業系食品のロス量が38万トンであることから、36万トンという量の大きさがわかります。食品廃棄を大きく改善するソリューションが必要とされているのです。
この表は、商品カテゴリーごとの廃棄率を示したものです。お惣菜が10.5%となっており、作った商品のうちの多くが廃棄されていることがわかります。SDGsの目標を達成するには、お惣菜のロスを減らし、商品を必ず売り切る仕組みを構築するのが近道です。
次に、なぜお惣菜の売れ残りが発生してしまうのかについてです。売れ残りが発生する原因としては、主に以下の3つの理由があります。
① 売れる量よりも作り過ぎてしまう/仕入れすぎてしまう
② 鮮度が落ちてお客様が興味を失ってしまう
③ お客様の購入したい価格帯で販売されていない
これらの原因を解決する方法として、ヴィンクスは商品の状況をリアルタイムに把握できるソリューションをご提供しています。
お惣菜などの加工管理のサイクルは、加工、販売、分析・予測の3つから成り立っています。今回ご紹介するソリューションがすぐに改善できるのは加工と販売に関わる部分です。そして、継続してソリューションを活用することで、蓄積されたデータを使っての分析や予測も可能になります。
それでは、ソリューションの内容を、お弁当の加工から販売までの流れを例にご説明します。このソリューションは、お弁当の容器に貼るバーコードをもとにして売り場に並ぶ状況をリアルタイムで確認できます。バーコードを活用することでロスを削減し、値引き業務の簡素化やミスの抑制も実現します。
では、ソリューションを活用した1日の流れを見ていきましょう。
● 10:00 1回目のお弁当作成
作成したお弁当には、作成日時や割引率の情報を保持したバーコードを貼って品出しします。
● 13:00 2回目のお弁当作成
作成したお弁当には、13時に作成したという情報を保持したバーコードを貼り付けます。
商品棚には、10時作成のお弁当と13時作成のお弁当が並んでいることになります。バーコードの情報を活用することで、売り場に行かなくても、10時と13時に作成したお弁当がそれぞれ何個残っているか把握できます。
● 14:00 お弁当を割引
10時に作成したお弁当に対して割引をかけます。
スキャナーで商品のバーコードを読み取ると、10時に作成したものだけを判別し、割引バーコードを自動で印字します。13時に作成したお弁当に関しては、値引きのバーコードは印字されません。
レジでのお会計時にも、バーコードをスキャンした際に自動で割引後の金額が表示されます。
● 17:00 3回目のお弁当作成
さらに17時にお弁当を作っても、バーコードに作成時間の情報を保持させておくことで、作成時間別に商品が何個残っているか簡単にわかります。
もちろん、さらに割引をかけても、バーコードをスキャンするだけで自動で値引き処理を行うことができます。
加工管理ソリューションを活用することで、主に4つの効果が得られます。
効果① 商品を売り切る
リアルタイムに商品の加工数や販売数、在庫数がわかるので、適切な価格の見直しが可能になります。商品を売り切ることで利益を最大化できます。
効果② オペレーションの簡易化
バーコードをスキャンするだけで値引きラベルが自動で印字され、商品の値引き処理を終えられます。商品の作成時間を一つひとつ確認する手作業が不要になり、業務が大幅に簡易化されます。
効果③ 作業ミスの防止
作業の開始時間になると通知されるように設定しておくことで、作業忘れを防止できます。また、商品をスキャンするだけで割引対象か自動で判別できるため、誤ってラベルを貼ってしまうミスもなくなります。
効果④ AI活用・データ活用
データを蓄積することでAIによる分析が可能に。従来は経験や勘で行っていたオペレーションをAI分析によって最適化できます。
短期的な効果と長期的な導入メリットにわけると、このようにまとめることができます。
ヴィンクスの加工管理ソリューションを活用することで、利益率を最大化し、食品ロスを削減できます。商品の売り切りを徹底することで、環境保全企業としての姿勢を示すこともできます。
このソリューションに少しでもご興味がありましたら、ぜひお問い合わせください。
ご拝読、誠にありがとうございました。
 
