住商モンブラン株式会社様 (Hybrid BACKUP) | 導入事例 | 株式会社ヴィンクス| 流通小売業向けシステム

導入事例

住商モンブラン株式会社様 (Hybrid BACKUP)



住商モンブラン株式会社

ディスクへのバックアップに切り替え
4重のバックアップ体制を構築

Hybrid BACKUPを導入し、日次テープバックアップを廃止し、多重のBCP対策

POINT

  • ・トラブルで、テープバックアップの問題が顕在化
  • ・Hybrid BACKUPを導入し、PCサーバーへのバックアップに切り替え
  • ・バックアップ・データを、さらに別ロケーションへコピー
  • ・本番機/バックアップ機のフル・バックアップをテープに取り、全拠点に配置

会社概要

社名 住商モンブラン株式会社
http://www.scmb.co.jp/
本社 大阪市中央区
設立 1950年
資本金 8200万円
売上高 76億円(2012年5月)
従業員数 99名
事業内容 白衣(医療用・食品用)、ユニフォーム、作業服などの織物・編物素材の企画・生産・販売

トラブルを機に問題が顕在化

横田昌宏 氏(総務部IT企画課課長)

白衣・ユニフォームの中堅メーカー、住商モンブランが、「4重の」障害・災害対策」へ向けて取り組みを進めている。

同社は2012年7月にバックアップ機の設置場所を東京から福岡へ変更し、ベル・データの「BAST-SYNC」(ヴィンクスのHybrid SYNCのOEM製品)によるリアルタイム・ミラーリングと、それぞれの拠点で日次でテープバックアップを取る体制をスタートさせた。「当分は、この体制でいけると考えていました。ところが、スタートしてまもなくトラブルが発生し、新たな対策が必要になりました」と総務部IT企画課の横田昌宏課長は今回のシステム化の経緯を説明する。

トラブルは、本番機(IBM i)のOSを5.4から7.1へバージョンアップした際、同時に最新バージョンへ上げた開発ツール(ランタイム版)がバックアップ機にミラーリングされたことにより起きた。同社では、「システム全体の負荷分散を考慮して」バックアップ機上で一部のアプリケーションを本番稼働させているが、それが開発ツールの旧バージョンでしか作動しないアプリケーションであったため、最新バージョンの上書きによりトラブルになったものだ。問題は、2012年のお盆明けに発覚した。

「 すぐに、ツールベンダーに連絡し対処を依頼しました。それと同時に、基幹サーバーの保守契約を結んでいるベル・データにも連絡し、同社からバックアップ機のテープ作業を担当している日立システムへ連絡してもらい、前日のテープの装填をお願いしました」(横田氏)。最終的に、問題の解析に3時間、データのリストアに1時間かかり、復旧まで4時間を要した。

「 すぐに、ツールベンダーに連絡し対処を依頼しました。それと同時に、基幹サーバーの保守契約を結んでいるベル・データにも連絡し、同社からバックアップ機のテープ作業を担当している日立システムへ連絡してもらい、前日のテープの装填をお願いしました」(横田氏)。最終的に、問題の解析に3時間、データのリストアに1時間かかり、復旧まで4時間を要した。

そこに、かねてからの懸案事項であった「月次更新の問題」が重なった。月次更新は仮想テープ装置にバックアップを取り、そのデータを外部NAS装置へFTPし保管している。しかし、バックアップを取ると本番機のディスク使用率が80%近くに跳ね上がり、FTPに1時間もかかっていた。

テープからディスクへのバックアップに切り替え

横田氏が出した結論は、ヴィンクスの「Hybrid BACKUP」を採用し、日次のテープバックアップをディスクへのバックアップに切り替え、月次更新についてもHybrid BACKUPに変更することだった。本番機とバックアップ機にHybrid BACKUPを導入し、日次とスポットはそれぞれのIBM i と同じロケーションにあるPCサーバーへ、月次はNASへバックアップする形になる。PCサーバーは、帳票サーバーなどとして使用中のものを流用することとした。

2013年1月に導入し、半月間、本番機・バックアップ機の両方でテストを行い、ディスクからのリストアも問題なく行えることを確認した後にサービスインし(3月)、同時にテープバックアップを廃止した。

PCサーバーのディスク容量は各300GB。日次のバックアップ・データ量は60GBほどになるが、「Hybrid BACKUPの圧縮率が高く1/4~1/5のデータ量に圧縮されるため、月~土曜の6世代を保管しても全く問題ありません。また、データの転送速度が非常に速くバックアップ終了と同時ぐらいに転送が完了するので、月次処理の日には従来より1時間早く帰宅できるようになりました」と横田氏は言う。さらに、「IBM iのSAVEコマンド、RSTコマンドと同じように使え、従来と同様の運用ができるので便利。Hybrid BACKUPの導入によって人手を介するオペレーションを削減でき、障害・災害対策と運用面を強化できたと思っています」と評価する。Hybrid BACKUPの導入費用は、従来のテープ作業(交換・保管)委託料の5年分以内に収めることができた。

現在、Hybrid BACKUPの「リモートコピー機能」を利用して、大阪と福岡のPCサーバーに日次で格納されるバックアップデータを、東京のNAS装置へ日次でコピーするシステムを構築中である。これにより、本番機・バックアップ機間のリアルタイム・ミラーリング(大阪~福岡)と、本番機とバックアップ機の日次バックアップ(大阪・福岡)、そして日次バックアップデータのコピー(大阪・福岡~東京)という3重のバックアップ体制が敷かれることになる。「 ただし、Hybrid BACKUPはTCPのサブシステムが稼働していないとバックアップできないので、本番機とバックアップ機のフル・バックアップをテープに取り、大阪・福岡・東京の各拠点に配置する計画です。これによって大阪と福岡のいずれか、または両方が同時に使えなくなっても、東京でシステムを復元する環境が整います」と横田氏は言う。このフル・バックアップを加えて、4重の災害・障害対策がまもなくスタートする。

図表 Hybrid BACKUPのパフォーマンス検証結果:住商モンブランで実施

本記事はi Magazine2012年8月号に掲載されたものです。
©i Magazine