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Zabbix 8.0リリース前に知っておきたい Zabbix 7.2 / 7.4での追加機能と変更点

Zabbix 8.0リリース前に知っておきたい Zabbix 7.2 / 7.4での追加機能と変更点

はじめに

2026年は次期LTS版となる「Zabbix 8.0」リリースが予定されています。現在鋭意開発中であるこのバージョンですが、すでにリリース済みのZabbix 7.2 / 7.4からも機能が継承される予定です。

そこで、今回はこのポイントリリース版で追加された機能のうち主なものをピックアップしてご紹介します。ここで紹介した機能はZabbix 8.0にも搭載予定ですので、新バージョンリリース前に予習しておきましょう。

※なお、Zabbix の公式ロードマップは暫定情報であり、今後変更される可能性があります。



機能追加の全体像

■Zabbix 7.2
ダッシュボードの見せ方が大きく進化しました。複数の監視値を並べて比較しやすくなり、ホストの状態もカード形式で把握しやすくなっています。また、設定ファイルで環境変数を使えるようになり、自動化やコンテナ運用との相性も改善されています。

■Zabbix 7.4
「ローレベルディスカバリ」(機器や監視対象を自動検出する仕組み)が強化されました。多段階で発見できるようになったことで、クラウド、仮想化、データベースのような階層構造を持つ環境で特に威力を発揮します。加えて、Host Wizard など初心者でも設定しやすい機能も増えています。



Zabbix 7.2の新機能

Zabbix 7.2 では、主に 監視データの見える化(UI強化)が大きなポイントです。

・ウィジェットの追加

複数のダッシュボードウィジェットが追加され、より容易に監視状況の把握が可能になりました。


① ホストカード
ホスト、そのステータス、リソースに関する詳細情報を表示します。ホストの障害数、インターフェースステータス、インベントリデータ(資産情報)などが表示可能で、フィールドの表示と順序をカスタマイズも可能です。
ホストカードウィジェットをホストナビゲータウィジェットにリンクすることで、表示されるホストを動的に更新することもできます。
障害発生時に、ホストの状態や情報をダッシュボード上で素早く確認しやすくなります。

ホストカード-追加


② Top items(上位アイテム)
「データの概要」ウィジェットが廃止され、代わりにTop itemsウィジェットが追加されました。
対象のアイテムをパターンで定義し、バー表示/インジケータ/スパークライン形式で表示することが可能です。
また値の閾値を設定し、状態を確認することもできます。

Top items(上位アイテム)


③ スパークラインチャート
上位ホスト、トップアイテム、アイテムの値ウィジェットでスパークラインチャートが表示可能になっています。
値変動の状況などが最新の値と同時に確認することができます。

スパークラインチャート

・NVIDIA GPU の監視に対応

Zabbix 7.2.1 から機械学習やGPU業務の増加を背景に、NVIDIA GPU を自動検出して監視できるようになりました。GPU使用率や温度、消費電力といった監視が可能になります。

・NETCONF / SFTP などネットワーク監視を拡張

SSH サブシステムに対応し、NETCONF や SFTP を利用するネットワーク機器の監視が強化されました。SNMP だけでは取りづらい情報の活用が期待できます。

NETCONF説明

・設定ファイルで環境変数が利用可能

Server / Proxy / Agent / Agent 2 などで環境変数を設定ファイルから参照できるようになりました。これにより、同じ設定ファイルを使い回しながら、環境ごとに値だけ差し替える運用がしやすくなります。特に Docker などのコンテナ環境や自動デプロイ(自動配備)との相性が良く、構築の標準化に役立ちます。

環境変数


Zabbix 7.4の新機能

Zabbix 7.4 では、主に 監視設定登録の簡易化および省力化が行われています。

・階層化したローレベルディスカバリ

従来ローレベルディスカバリではアイテムやトリガー、ホストのプロトタイプを作成し、自動登録されることで設定作業の省力化を実現していました。
Zabbix 7.4では、さらにこのローレベルディスカバリ機能が強化され、ローレベルディスカバリで設定自動登録⇒新たにローレベルでディスカバリルールが作成され、階層的に自動登録といったことが可能になっています。
たとえば「DBサーバを見つける → その中のインスタンスを見つける → その中の表領域を見つける」といった複雑な構成への対応や、「自動で見つけた仮想基盤の中から、さらに VM やコンテナも自動で見つける」といった動的に増減する環境で、手作業の登録を減らすことが可能になります。

階層化したローレベルディスカバリ

・ホストウィザード

ホスト登録がウィザード形式で行えるようになりました。登録に必要なステップごとに入力を行うことで、Zabbixに不慣れな方でもホスト登録を実施しやすくなっています。

ホストウィザード01 ホストウィザード02

・アイテムカードウィジェット

1つのメトリクスについて、「最新値」「トリガー状態」「インターフェース」などをまとめて一覧化できるウィジェットが登場しています。

アイテムカードウィジェット

・SMTP OAuth 2.0への対応

メール送信で OAuth 2.0 が利用可能になりました。OAuth 2.0 は、パスワードを直接扱わず安全に認証する仕組みで、Gmail や Office 365 など現代的なメール基盤との連携をしやすくします。

・インラインフォーム

ホスト、アイテム、テンプレート、トリガーの登録画面で設定内容にミスがあった場合、リアルタイムにエラーメッセージが表示されます。登録後の手戻りや設定ミスによる不要なアラート通知を防止できます。

インラインフォーム

機能まとめ表

バージョン 方向性 主な新機能
7.2 UI改善
ネットワーク監視強化
新ウィジェット
GPU監視
NETCONF対応
7.4 自動検出
設定の簡易化
LLDの階層化
ホストウィザード
SMTP OAuth 2.0対応

おわりに

Zabbix 7.2では主に視認性、Zabbix 7.4では設定簡略化が実装され、これまでZabbixはとっつきにくいと感じられていた方も、 すでに利用されている方もどちらにとってもメリットのある機能が搭載されています。

これらの機能は次期LTS版となるZabbix 8.0にも搭載される予定であり、8.0ではさらなる機能追加も予定されています。(その内容はまた別記事でご案内いたします。)

これから利用される方も旧バージョンを利用されている方も次期リリースにご期待ください。



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